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設計を考える様子

Case 04:
製造業(金属製品・加工)

支援内容

製造工程の一元管理・生産性と経営効率化

IT人材

ITコンサルタント

Professional IT Persons

担当のIT人材

寺島 健一
IT Consultant

IT企業の起業・代表も経験し、広い視点でIT導入をリードできる人材

Client’s Problems

クライアントの課題

生産性と経営効率の課題

製品試作の内容によって取扱う原材料が多岐に渡るため、原材料のタイムリーな消費状況の把握や在庫・仕掛品の即時的な情報把握が難しく、棚卸日や期末時には現場要員の稼働を必要とする集計作業が発生し、業務が不効率な状況がありました。 Excel帳票による製造工程管理、不良品管理、歩留まり率の管理には限界があり、人為的なミスの防止や情報の一元管理による業務効率化、データを基にした需要予測など、IT化による業務改善が強く望まれていました。

製造工程の一元管理

フォトエッチング※技術を主とした精密加工品の試作・製造を行っていたクライアントは、製品内容や部材が多岐に渡っており、熟練工のノウハウに依存して製造工程の指示・管理が行われていたため、情報の一元管理が不十分な状態でした。 製造工程には、使用する機械や加工内容、工程そのものに多数のパターンや組み合わせが存在しており、試作内容によっては一部の工程を外注に出すこともあり、製造工程を全社的に進捗管理することが難しく、製造工程においても一元的な情報管理が困難な状況がありました。

※ フォトエッチング(エッチング)とは、エッチング液などの薬液による金属の化学反応・腐食作用を利用して金属を切削・加工する技術です。

Policy & Suggestion

課題解決に向けた方針と提案

トータルな生産営業管理システムを構築し、誰でもどこででも必要な情報を閲覧・入力・確認ができる体制を作ることを大前提に提案を実施

スクラッチ開発の提案

クライアントへのヒアリングを通じて、システムの基礎となる情報が複雑でイレギュラーパターンが多いことが明確化していたので、LAMP環境※によるスクラッチ開発を提案。顧客のITリテラシーに配慮し、パッケージ製品との比較やインフラ、開発規模の合理性を説明する資料を作成して、初心者にもわかりやすく予算の妥当性と技術提案の合理性を提唱しました。

ミーティング

システム設計方針

スクラッチ開発の利点を生かし、現行の製造工程に配慮しつつ、将来的な要件に柔軟に対応できるように設計を基本方針としました。 動的なマスタ設計、工程のパターンを動的に組み合わせる機能、例外処理を手入力で対応する機能など、高い可変性と拡張性を持つようなシステム設計を配慮しました。

生産性の見える化

バックエンドの集計機能を充実させ、簡単操作で定型的な集計作業を出力できる機能の搭載を提案。複雑で例外的なデータ集計にも対応できるEUC※機能を設けて、全社的な生産性把握を可能にする機能を盛り込んで、見える化を推進しました。

business Process

プロジェクト推進の手順

フェーズ画像
01

開発全体方針

クライアントに対し、積極的な提案型の協議を行って、要望事項の明確化とシステム機能への合理的な落とし込みを実施しました。IT初心者向けの基礎的なシステム知識を解説する補足資料やシステムの概念図を作成し、クライアントのシステム理解とユーザー教育を支援しました。

02

要件定義・概要設計

意識の齟齬防止と開発進捗の見える化を図るため、画面モックアップを多用してシステム操作のイメージを提供しました。Excel帳票による管理に慣れた現場担当者がスムーズにWebシステム操作に移行できるよう、既存帳票を活用し、レイアウトを尊重した基本設計・画面設計を実施しました。

03

詳細設計・製造・導入

定期的にクライアントとの会議を開催して、進捗報告を実施。中間成果物を常時顧客が閲覧可能な状態にして、開発進捗の透明性を確保しました。

04

運用

新たな要望やシステム不具合、技術的な不明点に関する問い合わせを一元化して、迅速な対応を図るために「お客様お問い合わせ票」を導入しました。システム障害の一次切り分け方法をクライアント目線で分類化し、説明資料を提供。クライアントと技術者が協力して障害切り分けを行える運用体制を構築しました。

Hardship & Difficulties

プロジェクト推進するにあたっての苦労や困難

01

クライアントとの折衝

システム開発に不慣れなクライアントとの折衝が常に必要であり、抽象的な話や後付けの要望が多く、Excel帳票からのシステム移行に対する現場担当者の反感もあり、顧客の本社担当者と共に複数回の説明を行うなど、多大な労力を要しました。

02

技術的な困難さと費用対効果の理解

発生頻度は低かったが、重要な業務要件や例外処理が多く、技術的困難さに加えて費用対効果の問題からクライアントとの粘り強い協議が必要であり、複雑な製造工程パターンや在庫集計ロジックの業務要件の詳細設計までの理解に多くの間接稼働が発生しました。

困難を支援する画像

Project Results & Effects

課題は解決したのか?
その効果は?

全製造工程のシステム化

システム運用開始後、半年強で全製品・全製造工程のシステム化と全現場担当者のシステム利用100%を達成し、システム管理の一元化を実現しました。

システム化により製造工程の作業効率化、歩留まり率の向上、人為的ミスの軽減、原材料の需要予測の精度向上が実現し、クライアントから高い評価を得て長期的な取引につながりました。さらに、棚卸チェック帳票出力や在庫・仕掛品集計など、手作業による集計作業の効率化に大きく貢献し、在庫金額・仕掛品に関する評価額算定や外注費集計などの新たな経営・財務資料の出力により、財務データの精度向上と一部監査資料の自動出力が可能になりました。

成長・向上